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【第8話】夏休み明けに学校へ行けなかった日

夏休み明けの朝、小学生の娘が学校に行かずリビングで本を読む様子を、母親が笑顔で見守っているイラスト。不登校を無理に行かせず受け止める親子の姿。
こはる

夏休み明けは、不登校や登校しぶりが増える時期と言われています。
私の娘も、小学5年生の夏休み明けに「やっぱり行けなかった」ひとりです。
でもそれは失敗ではなく、むしろ「ここまで頑張った証」だと気づきました。
親としての気持ちの変化と、同じ状況の方へのメッセージを綴ります。

「不登校の子を育てる親御さんへ。家に居場所をつくり笑顔を取り戻した体験から、ひとりじゃないと思える居場所を届けたいブログメッセージ」

小5の春から始まった登校しぶりの変化

「5年生になったら学校に行く」と言った娘の決意

小学校4年生の終わり頃、娘は私にこう言いました。
「5年生になったら学校に行く」

その言葉どおり、新学期からは頑張って登校するようになりました。
下の子が1年生として入学したことも重なり、4月からは週に3〜4日ほど通うようになったのです。

小4終わりごろの話はこちら
小3から小6までの不登校記録──教育相談・WISC検査で見えた子どもの特性と親子の変化
小3から小6までの不登校記録──教育相談・WISC検査で見えた子どもの特性と親子の変化
小3冬に不登校が始まり、教育相談で心が救われ、WISCで特性を理解。フリースクール見学を通して「合わない」を知り、小4冬に「行かなくてもいい」と受け入れられた体験談。

「これ以上を望まなくてもいい」と思えた日々

毎日ではなかったけれど、約束を守ってくれたことが何より大きな一歩でした。
「全部行けなくてもいい。ここまで頑張っているだけで十分」
そう心から思えたのは、この頃が初めてだったかもしれません。

夏休み前に感じていた不安と期待

「夏休み明けは不登校が増える」と知っていた親の気持ち

5年生になってから、週に数日でも登校できていることは大きな変化でした。
その姿に「このまま続けば…」と、少し期待してしまう自分もいました。

でも同時に、心のどこかで分かっていたのです。
「新学期になったら、また行けなくなるかもしれない」
「夏休み明けは不登校が増える時期だから」

行けるかもしれない期待と、行けなくなるかもしれない不安

正直、このまま登校を続けてくれたらこれ以上望むことはありませんでした。
けれど、夏休みという長い空白のあとに、また一から学校に向き合うのは娘にとって簡単なことではない。
「行けなくなったとしても不思議じゃない」
そう覚悟している自分も確かにいました。

期待と現実、そのどちらも捨てきれない気持ちを抱えながら──私は夏休みを迎えていたのです。

夏休み明け初日、やっぱり行けなかった

前日の夜に抱いた小さな希望

そして迎えた夏休み明け。
前日の夜、私は少しだけ期待をしていました。
「明日は行けるかもしれない」「久しぶりに友達に会えたら気持ちも変わるかも」──そんな淡い希望です。

当日の朝「今日は行けない」と言った娘の姿

けれど、当日の朝。
声をかけても娘は布団から出てきませんでした。
小さな声で「今日は行けない」と言ったその表情は、とても静かで、泣き叫ぶこともありませんでした。

「むしろ、ここまでよく頑張ったよね」と思えた瞬間

その瞬間、胸の中に浮かんだのは驚きでも落胆でもなく、
「だよね。むしろ、ここまでよく頑張ったよね」
という思いでした。

4月から夏休みまで、娘は本当に頑張ってくれた。
夏休み明けに行けなかったとしても、それは失敗ではなく、むしろ自然なこと。
私はそう受け止めていました。

焦りよりも、「やっぱりね」と頷く気持ちのほうが大きかったのです。

無理に行かせないと決めた理由

夏休み明けの登校しぶりは特別なことではない

夏休み明けに学校へ行けない子は、実際にはたくさんいます。
生活リズムの乱れ、宿題のプレッシャー、友達関係の不安…。
どれも大人が想像する以上に、子どもにとっては大きな負担になります。

私自身も「行けないのはうちの子だけ?」と思ったことがありましたが、決してそうではありませんでした。
夏休み明けの不登校や登校しぶりは、どの家庭にも起こりうることなのです。

過去の失敗から学んだ「無理に行かせても意味がない」

以前の私は「ここで行かせないと、もうずっと行けなくなるんじゃないか」と強い不安に駆られていました。
実際、泣く娘を無理やり車に乗せて学校へ連れて行ったこともあります。
そのときの娘の苦しそうな顔は、今でも忘れられません。

その時の話はこちらです
【第3話】「学校に行きたくない」と泣く娘──無理やり登校させた私が気づいたこと
【第3話】「学校に行きたくない」と泣く娘──無理やり登校させた私が気づいたこと
「学校に行きたくない」と泣く娘を無理やり登校させていた日々。母としての葛藤や後悔を通じて、“子どもの気持ちを受け止めること”の大切さに気づいた体験記です。

「学校に行かない」という選択を受け入れられた私

だからこそ、この夏休み明けは違いました。
布団から出てこない娘を見ても、無理に行かせようとは思わなかった。
「行かなくてもいい」「今は休んでいい」──自然とそんな気持ちが出てきたのです。

子どもを責める気持ちも湧きませんでした。
「学校に行かない」という選択を、そのまま受け止められた瞬間だったと思います。

腹をくくった親としての覚悟

「夏休み明けの不登校は特別じゃない」と思えた瞬間

夏休み明けに行けなかった日、私は不思議なほど落ち着いていました。
以前なら「どうしよう」「またダメになった」と焦っていたはずです。
けれど、このときは違いました。

「夏休み明けに不登校になるのは、特別なことじゃない」
「行けないのは“うちの子だけ”じゃない」

そう思えたとき、胸の中にあった重い石が少し軽くなったような気がしました。

家に居場所があれば大丈夫と気づいた日

私はそこで腹をくくったのだと思います。
「学校に行かないことも選択肢のひとつ」
「登校できるかどうかより、子どもの心と体を守ることが大切」

学校に行けなくても、娘には安心できる居場所がある。
それが家庭であり、私の役目なんだと。

行く・行かないに一喜一憂するよりも、
「今ここにいる娘を受け止める」ことに目を向けよう。
そう思えたのが、夏休み明けの出来事でした。

夏休み明けに不登校で悩む親御さんへ

行けなくても失敗ではない、頑張った証拠

夏休み明けに「やっぱり行けなかった」という子は、決して少なくありません。
それは怠けでも、甘えでもなく、心と体が「まだ準備ができていない」と伝えているサインです。

親としては「また行けなかった」と落ち込んでしまいがちですが、
それは決して失敗ではありません。
子どもは、すでにここまで本当に頑張ってきたのです。

子どもも親も責めないでいい

この時期に一番大切なのは、子どもを責めないこと。
そして同時に、自分自身を責めないことです。

「ここまで頑張ったね」と子どもに声をかけるように、
親自身にも「よくやっているよ」と伝えてあげてください。

小さな歩みを信じて、「それでいいよ」と伝えてほしい

学校に行けなくても、人生は続いていきます。
「休み明けに行けなかった」よりも、
「この数か月をよく頑張った」に目を向けられたら、親子の気持ちはずっと楽になります。

どうか、ご自身のお子さんにも、そしてご自身にも、
「それでいいよ」と声をかけてあげてください。
その一言が、次の小さな一歩につながっていきます。


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管理人(こはる)
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実はせっかち管理人
小2と小6の子を持つ、シングルマザーです。 上の子は不登校3年目。親子でのんびり歩いています。 最近の楽しみは、子どもと一緒にアニメを観ること。上の子の影響で音ゲーにもハマりつつあります。 毎週金曜日更新。
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