不登校の子を支えながら働く親へ|仕事との両立で限界を感じた私が気づいたこと
不登校の子を支えながら働く毎日。
「どうしてこんなに苦しいの?」と感じていませんか?
私も同じでした。
娘の不登校が始まったとき、つらかったのは、学校に行かない娘の姿ではありませんでした。
職場に理解されず、居場所がなくなっていくこと。
「ここにいてもいい」と思えないことが、どれほど心をすり減らすのか──
これは、そんな毎日にもがきながら、環境を変えることで少しずつ前に進めた私の記録です。
同じように悩む方が、自分を責めずに“生きやすさ”を取り戻せるきっかけになれば嬉しいです。

不登校と仕事の両立に、心が追いつかなかった
仕事に行くたびに「迷惑をかけている」と感じる日々
不登校が始まってから、私の毎日は遅刻と早退の繰り返しでした。
朝の登校拒否、登校しても迎えの呼び出し。
「また?」という視線が職場で痛かった。
「迷惑をかけている」という罪悪感が日に日に大きくなり、
いつの間にか“謝ること”が日常になっていました。
毎朝会社に入れる遅刻の連絡が苦痛となり、今日こそ遅れずに行こう。
そう思っても、もう心は限界に近づいていました。
「必要とされていない」ーー働く親が抱える孤独
上司からの「特別扱いはできない」という一言が胸に刺さりました。
理解できても、納得はできなかった。
何より、当たり前の事ができない自分への嫌悪感でいっぱいになりました。
努力しても評価されない。
周囲の目が怖くて、誰にも本音を話せない。
家でも会社でも、どこにも安心できる場所がなかった。
「自分は必要とされていない」
そう感じたとき、人は簡単に自分を見失ってしまうんです。
不登校の娘を無理に登校させて気付いた ”親の焦り”
「なんで学校に行ってくれないの」
「あなたが学校に行かないから、仕事ができない」
そんなふうに思いたくないのに、思ってしまう。
泣きわめく娘に強く当たってしまい、自己嫌悪で涙が出る。
自分の感情をコントロールできないまま、誰にも言えず、
毎日が苦しくて仕方がありませんでした。

泣きわめく娘を車に押し込んだ朝
「行きたくない」と泣く娘の手を引いて、
車に押し込んで登校させた日がありました。
「ママだってつらいのに」
言いたくない言葉をぶつけて、
自分の心が折れていくのがわかりました。
そんな日々が続き、ある日娘から届いた1枚の紙には「かえるかえる」とびっしり。
あの文字を見た瞬間、血の気が引きました。
もし、あのとき何かが起きていたら。
私は一生、自分を責めていたと思います。
娘を追い詰めていたのは、環境ではなく“私の焦り”でした。
「学校に行かなくてもいい」と伝えた日
無理に登校させるのをやめた
娘からの手紙を見て、私はある決断をしました。
学校に行くか行かないかは、娘が決めればいい。
仕事のことはできる範囲で、誠心誠意を尽くすしか無い
職場で評価が下がろうと、上司に嫌われようと、そんなことはどうでもいい。
私が子どもを苦しめていた。
私が守らないで、誰が子どもを守るの?
そう思い、もう無理に登校させるのはやめよう。
そう決意しました。
「受け入れてもらえた」と感じた娘の笑顔
「行くか行かないかは、あなたが決めていいよ。」
そう伝えた瞬間、娘の顔に少し笑顔が戻りました。
“受け入れてもらえた”という安心。
それが、娘にとっての第一歩だったんです。
私もやっと、「親としての正しさ」を手放せた気がしました。
正しいかどうかじゃない。
娘のことを、受け止めるかどうか、だったのだと思います。
行かないことは、逃げじゃない。
立ち止まることも、前に進むための時間なんだと思います。
頑張れない日があってもいいーー立ち止まる勇気
娘との関係が良好になっても、仕事への悩みやストレスが解決したわけではありませんでした。
私の価値観、気持ちが変化しただけで、実際、仕事にはプラスになるものがありませんでした。
【学校にいかなくていい】と選択したのも自分。
【会社に行くこと】を選択したのも自分。
全部、自分で決めたこと。
焦らず向き合うと決めました。
「頑張らなきゃ」ではなく、「頑張れない日もある」でいい。
そう思えるようになり、自分を追い詰めていた言葉がスッと消えると、
仕事に対しても、少しだけ気持ちが軽くなっていきました。
働く親が壊れないために、大切にしてほしいこと
「親だから」と我慢しなくていい
不登校の子を支えながら働くのは、本当に大変です。
どちらも中途半端になる自分を責めてしまう日もあります。
でも、親が壊れてしまったら、誰も安心できません。
我慢することよりも、「自分を守ること」を選んでいい。
それは逃げじゃなく、希望への一歩です。
不登校と仕事の両立に悩むあなたへ
ここまで読んでくださった方は、
今、きっと心が限界に近いところで頑張っているのだと思います。
小さな“できない”が積み重なり、
「自分はダメな親だ」「子どものせいにしてる」と責めていませんか?
私もそうでした。
けれど、子どもが不登校になったことも、
そのことで仕事に影響が出てしまうことも、
誰のせいでもありません。
あなたが悩み苦しんでいるのは、お子さんを想っているから。
それだけで、もう十分頑張っています。
どうか自分を責めすぎず、
小さなことでも「今日もよくやった」と、自分に言ってあげてください。
“無理しないこと”が、
あなたと子ども、どちらも救う選択になります。
『耳をすませば』より、心に残っている言葉
私がずっと心に残っているセリフがあります。
スタジオ・ジブリの『耳をすませば』で、主人公・月島雫のお父さんが娘にかけた言葉です。
『自分の信じる通りにやってごらん。
でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。』
初めて観たのは中学生の頃。
特別やりたいことがあったわけではないのに、なぜかこの父親の言葉が心に残りました。
「見ていてくれる人がいることの安心感」
子どもを信じて、選択を尊重するその姿勢に、
“信じてもらえることの力強さ”を感じたのかもしれません
不登校の問題に直面した時、ふとこの言葉を思い出しました。
そして、私も同じように、娘に伝えました。
だから私は、
娘が安心して家にいられる環境を、作ることにしました。
会社に居場所がないと感じた私は、毎日がとても苦しかった。
だからこそ、娘にも同じ思いはさせたくないと思ったのです。
焦らなくても、大丈夫
私もあの頃、何度も「もう無理だ」と思いました。
でも、立ち止まっていいと思えたとき、
ようやく息ができるようになった気がします。
休むことも、悩むことも、前を向くための時間です。
今は、ただ「大丈夫」と自分に言ってあげてください。
きっと、あなたのペースでまた歩き出せます。

よろしければ、遠慮なくお問い合わせからご連絡ください。
些細なことでも結構です。
誰かに聞いて欲しい思いがあるのなら、ぜひ、ご活用ください。
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