このブログには広告が含まれます。

自分を責めてしまうときに

不登校の子を“無理に行かせようとした”私が後悔したこと

朝の光が差し込むリビング。テーブルの上にはマグカップと本、ソファにはくまのぬいぐるみ。不登校の子を無理に行かせる前に知ってほしいことを伝える記事のアイキャッチ。
こはる

子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、どうすればいいかわからなくなる。
私は、出口の見えない不登校の日々の中で、悩み、焦って無理に登校させてしまったひとりです。
この記事では、そのときの後悔と気づきから、
「不登校の子を無理に行かせる前に知ってほしいこと」をお話しします。

私が娘の不登校と直面した時、下記のように感じていた時期がありました。

  1. 不登校が始まりかけていて対応に迷っている
  2. 無理やり登校させてしまって、心がつらい
  3. 子どもを思う気持ちと、仕事との板挟みに苦しんでいる

もしもあなたが、どれかに当てはまるようなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
『学校に行ってほしい』という親の思いと向き合いながら、
自分を責めずに子どもとの関係を見つめ直すための視点や、気持ちの整理のヒントをお伝えします。

「不登校の子を育てる親御さんへ。家に居場所をつくり笑顔を取り戻した体験から、ひとりじゃないと思える居場所を届けたいブログメッセージ」

無理やり登校させる前に、知ってほしいこと

「学校に行きたくない」と言う子どもに対し、登校を強いることは、親にも子にもたくさんの”傷”が残ります。
だからといって、親の不安や悩みをすべて押し殺して、
「学校に行かない」という選択をしても、不安は大きくなるばかりです。

子どもの将来を心配して、引きずって行ったこともありました。
”最悪の事態になっていたかもしれない”、そう思ったこともありました。
そういった後悔から、自分の気持ちはすべて抑えて、
「休みたい」という子どもの希望をそのまま受け入れました。


けれど、自分の中の負の感情は大きくなり、
家にいる子どもに、その感情を向けることもありました。

私は、自分の価値観・感情を娘に押し付けていることに気づき、酷く後悔しました。

親の気持ち
子どもの気持ち

どちらか一方の気持ちを押し付けていては、何もうまくはいきません。
”我慢”の上には、信頼関係・安心する環境は作れないのだと、そう気づきました。

無理やり登校させて後悔したこと

「行きたくない」の言葉から始まった日々

最初に「学校に行きたくない」と娘が口にしたのは、小学3年生の秋。
前回の記事で触れた、あの日の朝のことでした。

前回の記事はこちら
突然の「学校に行きたくない」──娘が初めて休んだ日に私が学んだこと
突然の「学校に行きたくない」──娘が初めて休んだ日に私が学んだこと

その日を境に、娘の”行きしぶり”は少しずつ始まりました。
「本当にいじめがあるのか?」「ただサボりたいだけ?」
行きたくない理由がわからず毎日どうすべきか悩んでいました。

あるとき娘がポツリと話しました。

「いとこも、学校休んでゲームしてるんだって」

それが、学校に行きたくない理由のひとつだったのかもしれません。
「ずるいと思ったの?」と聞くと、娘は「うん」と頷きました。

その時の娘の話で、私は「サボりたいだけ」「ラクをしたいだけ」
そんな考え方が強くなりました。

この時はまだ、これが娘からのSOSだとは気づけていませんでした。

行かないと、もう行けなくなる気がして

はじめのうちは、「少し休めばまた行くだろう」と安易に考えていました。
いちにち、またいちにちと休みが増えていく度に、
「このままじゃ、もう行けなくなるのでは?」という不安に駆られました。

朝、「行きたくない」と泣き叫ぶ娘の手を引いて、引きずるようにし、車に押し込んで連れて行くこともありました。

「児童相談所に通報されるのではないか」
「これって虐待?」

そんな不安が何度も頭をよぎります。

昇降口で待っていてくれた養護教諭に、「お願いします」とほとんど”押し付けるようにして”預け、「帰るー!ママぁー!!」と泣き叫ぶ娘を置き去りにし、張り裂ける思いで、会社に出社していくこともありました。

けれど、娘の将来を心配して取った私の行動は、
娘にも、私にも、あまりにも辛い記憶しか残しませんでした。

泣き叫ぶ娘を置き去りにして思ったこと

娘の悲痛な叫びを背中で聞きながら、心を鬼にして、会社に向かいました。
ハンドルを握る手に力が入りました。

「こんなことまでして連れて行く必要があるのか」
「これは娘のため?それとも私の都合?」

自問自答を繰り返し、後悔しながらも、やはり『行って欲しい』という気持ちは消えませんでした。

きっとこれが、娘の将来のためになる。
”学校に行くことが正しい” 

そう信じていました。

でもそれは間違いでした。

私は自分の価値観を娘に押し付け、誰も幸せにならない選択を取っていました。

そのことに気づいたのは、娘からのメッセージでした。

帰る帰るーー娘から届いたメッセージ

娘が小学校3年生の1月。
会社にいた私のスマホに、娘からLINEが届きました。
添付されていたのは、「かえるかえる」と紙にびっしりと書かれた写真。


その直後、学校から電話が入りました。
「帰りたいと言っているのですが、お迎えに来れますか?」
というものでした。

話を聞けば、教室のベランダに出ていたようで、中に戻るところを教頭先生に目撃されたそう。

授業は体育で、先生の許可を得て、ひとり教室に残り自習をしていたそうです。
その様子を教頭先生が見に来たところでした。

本人は「ちょっと出てみたかっただけ」と興味本位のようでしたが、私の中には強烈な恐怖が残りました。

”もしあのとき、飛び降りるようなことがあったらーー”

背中にゾッとするような感覚が走りました。
もし、そんなことになっていたら…

私が無理矢理連れて行ったせいだと、一生自分を責め続けるでしょう。

何よりも大切な娘を失っていたかもしれません。
私は、無理やり連れて行ったことをひどく後悔し、なんて愚かな母親なんだろうと自分を責めました。

なぜ、「学校に行ってほしい」と思うのか

子どもの未来を思う“親の正直な不安”

「ベランダ事件」以来、できる限り本人の意志に任せるようにしました。
それでも、「行って欲しい」と思う気持ちも消えずにあり、自分の本音を見つめ直してみました。

家から出ない生活。
運動不足。
偏った食事。
学習の遅れ。
同年代の子と関わらないこと。

成長期に必要な要素の殆どが足りない気がして、心配でなりませんでした。
このままで、社会に出たときに困らないだろうか。

娘の幸せを願うからこそ、「行って欲しい」

それもまた、私の正直な気持ちでした。
でももちろん、それだけではありません。

本音の中にある「親自身の都合」

「私が困るから」

それもまた、紛れもない本音。

仕事は、在宅勤務が主流でしたが、会社にいかないとならない日もあります。
まだ小学校3年生の子を独り残して、夜まで留守番させることも、とても心配でした。

娘の健康、将来への不安、そして幸せ。
生活していくために働かなければならない現実。

これが、私が娘に学校に行って欲しい理由でした。

子どもと話す、という選択

正直に伝えること

娘の意思を尊重させたい気持ちと、不安、自分の都合、どれも大事なのに共存できない。
板挟み状態となり、とても苦しくなりました。

だから、その気持ちは正直にありのまま伝えました。
「せめて、ママが会社に行く日だけは、頑張って欲しい」

そう、伝えたのです。

娘は、「わかった」とこたえてくれました。
(ただこれも、後に限界がきました。それはまた後日)

娘はまだ小学3年生でしたが、
「家族で生活していくためにママは働いている。学校をお休みされると、困ることもある」

ということは伝えて良かった、と思っています。
それは、「お前のせいだ」と責めるのではなく、事実を述べるだけのもの

親だから、子どもに隠さなければならないーー
そんな必要はありません。

「協力して生きる」関係へ

「こういう理由で困っている。だから、協力してくれると助かるんだけど、どうかな?」

そんなニュアンスで伝えたと思います。
それは、娘も理解してくれたようでした。

私が正直に伝えることで、娘も自分の気持ちを話してくれるきっかけにもなりました。
お互いの都合や気持ちを、言葉にして伝え合うことで、協力の形が作れたのだと思います。

けれど、当時の私は「全部自分のせい」と思い込み、誰にも助けを求めることができませんでした。

それが、私をより深く追い詰めていたのだと、今ならわかります。

そして、あなたに伝えたいこと

不登校が始まりかけた頃。
最初に悩んだのは、「どうしたいいかわからない」ということでした。

「誰に助けを求めればいいんだろう」
「これで正しいのかな」

そんな気持ちを抱えているのは、きっと私だけはないと思います。

だからこそ、どうかこのことを覚えておいて欲しいと思います。

  • 自分の気持ちを口にしてもいい
  • 子どもと一緒に悩んでもいい
  • 「わからない」「つらい」と伝えていい

親だからといって、すべての気持ちを押し殺す必要はありません。
子どもに隠さなくてもいいと、私は思います。

無理やり登校させることで、娘を酷く傷つけ、
そんな娘を見て、自分を酷く責めて、親子ともども疲弊していきました。
もしかしたら、最悪の事態になっていたかもしれません。

たくさん悩んで、迷って、苦しんで後悔しました。

あの時、誰かに頼るべきだったと、後悔しました。

もしよければ、お子さんに

「あなたの気持ちも、ママ(パパ)の気持ちも、どちらも大切にしたい」

そう伝えてみてください。

大切なのは、「親の気持ちを伝えること」

子どもを責めたり、登校を促すためのものではありません
それをどう受け取るかは、子ども自身のペースに委ねていいのです。

あなたが今感じているその想いーー
それを伝えることは、きっと親子の距離を縮める一歩になります。

よろしければ、遠慮なくお問い合わせからご連絡ください。
些細なことでも結構です。
誰かに聞いて欲しい思いがあるのなら、ぜひ、ご活用ください。

あわせて読みたい

「学校に行けない娘」よりもーー
私を一番苦しめたのは、理解のない職場と、どんどん小さくなっていく自分の存在感でした。

不登校と仕事の両立に苦しみ、
遅刻・早退・評価ダウン…そして心が壊れかけた私が、
環境を変える決意をしたときのことを綴ります。

「がんばり続ける」ことに限界を感じているあなたへ。
きっと、届く言葉がありますように。

あわせて読みたい
不登校の子を支えながら働く親へ|仕事との両立で限界を感じた私が気づいたこと
不登校の子を支えながら働く親へ|仕事との両立で限界を感じた私が気づいたこと
ABOUT ME
管理人(こはる)
管理人(こはる)
実はせっかち管理人
小2と小6の子を持つ、シングルマザーです。 上の子は不登校3年目。親子でのんびり歩いています。 最近の楽しみは、子どもと一緒にアニメを観ること。上の子の影響で音ゲーにもハマりつつあります。 毎週金曜日更新。
記事URLをコピーしました